『ローレライ』

 公開初日に観に行った『ローレライ』。福井晴敏の『終戦のローレライ』をベースに、『ガメラ3』の樋口真嗣が映像化した映画だ。まず観終って抱いたのは「頑張ってるなぁ……でも所々消化不良」という感想だった。やはりあの原作(400字詰め原稿用紙で約3000枚)を約2時間の尺に収めるのは相当厳しかったと見え、細かいエピソードが所々削られているのが残念だった。中でも最大のマイナス印象を覚えたのがあの結末で、事前に原作を読んでいる立場からすると消化不良感満載であった。

 とは言え、昨今の日本映画の中では良く出来た佳作であるのは間違いない。CGはいまひとつの出来でしたが(焦点が合いすぎて全てがクッキリと映りすぎているのと、全体的に質感がマットすぎるなぁというところかと)。